総人口の約4人に1人が高齢者になっている日本では、介護を必要としている高齢者の比率もどんどん増え続けています。そんな高齢社会で注目を集めているのは、小規模多機能型居宅介護です。これは1つの事業所に登録することで、通所介護と訪問介護とショートステイを利用できる介護サービスのことを指します。利用目的ごとに事業所を選ぶ必要がなく、月額定額制で複数の介護サービスを受けられる点が小規模多機能型居宅介護の魅力なのです。具体的には、通所介護の利用中に体調が思わしくなくなったら、そのままショートステイに移行することができます。
ただし、名称に小規模というワードがついていることからもわかるように、1つの事業所に対して登録できる人数は少なめに設定されています。1つの事業所あたりの定員は、29名以下にしなければならないという規定があるのです。さらに1日で通所介護を受けられる人数は15名以下にしなければなりませんし、ショートステイに至っては1日の利用人数を9名以下に抑えなければなりません。そのため小規模多機能型居宅介護の契約ができたとしても、他の利用者との兼ね合いで受けたい介護サービスを希望する日時に受けられないこともあるのです。ちなみに通所介護に限っては、一定の基準を満たすことで1日あたりの定員を18名まで増やすことができます。
利用人数の定員が少ないぶん、毎回顔なじみのある職員から介護サービスを受けられるというメリットもあります。人見知りな性格であったり、環境の変化に順応するのが苦手な方は、小規模多機能型居宅介護の利用を選択肢に入れてみることが推奨されます。